「えっ、何それ。ちょっと見せて」
行きつけのバーのカウンター越しに、オーナーが身を乗り出してきました。この一言から始まった話が、のちに月額のAI顧問契約につながります。営業資料は1枚も作っていません。今回は、その実話をもとに「AI導入を人に伝える最速の方法」について書きます。
きっかけは、行きつけのバーでの雑談
仕事終わりによく通っているバーがあります。お客として通ううちにオーナーと仲良くなり、気づけば仕事の話も気軽にする間柄になっていました。
ある日、いつものように飲みながら仕事の話になり、普段AIをどう使っているかという流れになりました。そこでノートPCを開いて、Claude Code(AIに日本語で指示を出すと、作業を代わりに進めてくれる開発ツール)の画面をお見せしました。
見た目はただの黒い画面です。そこに日本語で指示を打つと、AIが勝手に手を動かしていく。SNSへの投稿を自動で回している仕組みや、スライド資料がその場で出来上がっていく様子を見てもらいました。
オーナーの目の色が、明らかに変わりました。「AIってこういうことができるのか」と。
無料レクチャーで見せたのは「LINEで聞くと空き時間が返ってくる」仕組み
後日、オーナーのオフィスにお邪魔して、無料のレクチャーを行いました。
題材にしたのは、LINEのカレンダー確認ツールです。LINEでメッセージを送ると、カレンダーを読み込んで、空いている時間をLINEに返してくれる。それだけのシンプルな仕組みです。
飲食店の経営者は、営業しながら予約や打ち合わせの日程をさばいています。これは想像以上に手間のかかる仕事です。だからこそ「LINEに聞けば空き時間が返ってくる」が、いちばん自分ごととして刺さる題材でした。
資料はほぼ使っていません。実際に動かしながら、どんな業務がどう変わるかを見てもらっただけです。
営業資料ゼロで顧問契約になった理由
そこから話は早く、「店の他の業務も相談したい」と言っていただき、現在は月額の顧問契約を結んでいます。社内にIT部門がない会社の「IT部門の代わり」として、現場の業務をヒアリングし、業務が楽になる仕組みの開発から導入・定着まで一貫して担う役回りです。
振り返って気づくのは、この契約に至るまでに「AIで業務効率化できます」という説明を一度もしていないことです。
やったことは、動いているものを目の前で見せて、触ってもらった。それだけでした。
AIの話は「すごいらしい」と「自分の仕事が変わる」の間に深い谷がある
AIの話は、言葉で説明するほど伝わりません。ニュースやSNSで「AIがすごいらしい」ことは誰もが知っています。けれど「自分の仕事がこう変わる」という実感との間には、深い谷があります。
その谷を一発で飛び越えるのが、「実際に触ってもらう」ことです。
- 説明を聞く → 「うちには関係なさそう」で終わる
- デモ動画を見る → 「すごいね」で終わる
- 自分の業務に近い題材で、動くものに触る → 「これ、あの業務でもできる?」と質問が始まる
質問が始まったら、導入の検討はもう半分始まっています。
AI導入を社内やお客様に伝える立場の方へ
もし、AIの導入を社内の経営層や現場、あるいはお客様に説明する立場でしたら、資料を作り込む前に、小さくてもいいから「その人の業務に近い、動くもの」を触ってもらうことをおすすめします。反応がまったく違います。
ウェイクラップでは、IT部門のない中小企業の「IT部門の代わり」として、AI活用の実演からツールの開発・導入・定着までを一貫して支援しています。「まず何ができるのか見てみたい」という段階からで構いません。お気軽にご相談ください。
